
住宅を探し始めると、
「住宅ローンはいくら借りられるのか」
が気になります。
年収から計算するといくら。
金融機関のシミュレーションではいくら。
不動産会社から提示された返済例では月いくら。
こうした数字を見る機会が増えます。
ただ、わが家では、
借りられる金額を住宅予算にはしていません。
大切だと思っているのは、
家を買ったあとも、今までの生活を無理なく続けられるか
です。
住宅ローンを返すためだけに働くような生活にはしたくありません。
だからこそ、
月々の返済額だけではなく、
金利。
総支払額。
手元に残る現金。
将来の教育費。
投資。
そして、もし将来売却することになった場合の資産性。
そうしたものを総合して考えています。
この記事で分かること
この記事では、
- 「借りられる額」と「返せる額」を分けて考える理由
- 元銀行員として住宅ローンについて感じていること
- 現在の家賃を住宅ローン返済額の目安にする方法
- 住宅購入後も削りたくない支出
- 頭金と繰上返済に対する考え方
- ボーナス払いを使わない理由
- 生活防衛資金を残す理由
- 住宅価格以外に考えている費用
- 住宅予算が合わなければ理想を変える考え方
について紹介します。
月々の返済額だけで住宅予算を決めない
住宅ローンを検討すると、
どうしても、
「月々○万円」
という数字に目が行きます。
毎月の家計に直接関係するので、もちろん大切です。
しかし、わが家ではそれだけでは決めません。
例えば、
- 借入額
- 金利
- 返済期間
- 総支払額
- 将来金利が変わった場合の返済額
- 住宅購入後の生活余力
- 将来売却した場合の資産性
なども一緒に見ます。
月々の返済額が同じでも、
借入期間や金利によって総支払額は変わります。
そのため、
「毎月払えるから大丈夫」だけでは判断しない
ようにしています。
「借りられる額」と「返せる額」は別
私は以前、銀行で働いていました。
住宅ローンを含む融資に関わる中で感じたことがあります。
それは、
金融機関が融資可能と判断する金額と、家庭が余裕を持って返済できる金額は、必ずしも同じではない
ということです。
金融機関には当然、審査があります。
返済能力を無視して融資するわけではありません。
一方で、金融機関も事業として融資を行っています。
営業目標が設定されることもあります。
そのため、
「銀行がこれだけ貸してくれるから、この金額まで家を買って大丈夫」
とは考えないようにしています。
審査に通る金額より、
自分たちの家庭が余裕を持って返済できる金額
を自分たちで考えることが大切だと思っています。
銀行から借りられる額と、家庭が余裕を持って返せる額は別。
現在の家賃は一つの目安になる
住宅ローンの返済額を考えるとき、
現在払っている家賃も一つの目安にしています。
例えば、
「今の家賃にあと○万円増えても、生活には余裕がある」
という感覚です。
今の家賃をそのまま住宅ローン返済額に置き換えるわけではありません。
住宅を所有すると、
住宅ローン以外にも、
固定資産税。
修繕。
保険。
設備交換。
などの費用が発生します。
そのため、
返済額だけで現在の家賃と比較しないこと
も意識しています。
それでも、
現在の家賃は、
「毎月どの程度の住居費なら生活に無理がないか」
を考えるための基準にはなります。
住宅ローンのために投資をやめたくない
住宅を購入したあとも、
わが家では投資を続けたいと思っています。
もちろん、
家計の状況によって金額を調整することはあると思います。
しかし、
住宅ローン返済のために、
長期的な資産形成をすべてやめる
状態にはしたくありません。
住宅は大きな資産ではありますが、
家だけに資産を集中させるのではなく、
金融資産も持ち続けたいと考えています。
そのため、
住宅を買ったあとにも投資を続けられるかは、
住宅予算を考えるうえで重要です。
子どもの経験も削りたくない
もう一つ、
できるだけ削りたくないのが、
子どもの経験に使うお金
です。
家族で出かける。
旅行する。
やってみたいことを経験する。
必要なものを買う。
そうしたことまで、
「住宅ローンがあるから我慢」
という生活にはしたくありません。
住宅は、
家族が生活するためのものです。
家を買ったことで、
家族の暮らしそのものが苦しくなってしまえば、
何のために購入したのか分からなくなります。
住宅予算は、家を買った後も投資や子どもの経験を続けられるかまで考える。
頭金は「多ければ多いほど良い」とは考えていない
住宅を購入するとき、
頭金をどの程度入れるかも考える必要があります。
わが家では、
頭金をできるだけ多く入れることが必ず正解
とは考えていません。
手元の現金を頭金に使いすぎると、
住宅購入後の余裕が減ります。
一方で、
借入額が増えれば利息負担も増えます。
さらに、
住宅ローン控除。
住宅ローン金利。
団体信用生命保険。
手元資金。
なども関係します。
そのため、
金利・税制・団信・現金を残す価値を総合して判断する
つもりです。
現時点では、
頭金を大きく入れず、
住宅ローン控除なども確認したうえで、
将来的に繰上返済を検討する方法も選択肢にしています。
ただし、税制度や適用条件は変わるため、
実際に住宅を購入するときには、
その時点の制度を確認して判断します。
ボーナス払いは使わない予定
わが家では、
住宅ローンのボーナス払いは利用しない方向で考えています。
理由はシンプルです。
毎月の収入だけで返せる状態にしておきたい
からです。
ボーナスは、
必ず同じ金額が入るとは限りません。
会社の業績。
働き方。
転職。
育児。
さまざまな事情で変わる可能性があります。
そのため、
ボーナスを前提に住宅ローンを組むのではなく、
毎月の家計だけで返済できるようにする。
そして、
ボーナスが入り、
家計に余裕があれば、
繰上返済などを検討する。
その方が、
わが家には合っていると考えています。
現時点では変動金利を考えている
現時点では、
住宅ローンは、
変動金利
を中心に考えています。
ただし、
「変動金利が必ず得」
と考えているわけではありません。
金利が上昇する可能性も考えています。
そのため、
現在の金利で返済できるギリギリの金額を借りるのではなく、
金利が上がっても耐えられる余裕を持つ
ことを重視しています。
実際の借入時には、
変動金利と固定金利の金利差。
返済期間。
家計の余裕。
将来の見通し。
などを改めて比較するつもりです。
住宅購入後は生活防衛資金を12か月分持ちたい
これまでわが家では、
生活防衛資金として一定期間分の生活費を現金で持つことを大切にしてきました。
住宅購入後は、
現在より住居費が増える可能性があります。
そのため、
住宅購入後については、
およそ12か月分の生活防衛資金を確保したい
と考えています。
住宅を購入すると、
現金を使う場面が増えます。
突然の修理。
家電の故障。
固定資産税。
子どもの費用。
収入の変化。
こうしたことがあっても、
すぐに投資資産を売却したり、
生活を大きく変えたりしなくてもよい状態にしたいと思っています。
家の価格以外にもかなりお金がかかる
住宅購入で忘れたくないのが、
建物や土地の価格以外の費用
です。
例えば、
- 登記などの諸費用
- 住宅ローン関連費用
- 引っ越し費用
- 家具
- 家電
- カーテン
- 外構
- 修繕
などがあります。
広告に掲載されている、
「土地○万円」
「建物○万円」
だけを見て住宅予算を考えると、
実際の必要資金との差が大きくなる可能性があります。
そのため、
わが家では、
実際に住み始めるまでにいくら必要なのか
で考えたいと思っています。
理想が予算を超えたら、予算ではなく理想を変える
住宅を探していると、
「あと300万円出せば」
「あと500万円出せば」
より良い家が見つかることがあります。
設備。
広さ。
土地。
立地。
上を見ればきりがありません。
わが家では、
理想の住宅が予算を超えた場合、
まず理想の方を変える
つもりです。
家を少し小さくする。
設備を減らす。
中古住宅を見る。
条件を少し変える。
それでも合わなければ、
購入を待つ。
住宅予算をどんどん上げて、
家計を住宅に合わせることは避けたいと思っています。
理想が予算を超えたら、予算ではなく理想の方を現実的に変えていく。
ただし「安ければいい」とも思っていない
住宅価格を抑えることは大切ですが、
一方で、
安すぎる住宅を選べばよい
とも思っていません。
一番避けたいのは、
価格を下げることばかり優先した結果、
住宅そのものに重大な問題があることです。
構造。
施工。
住宅性能。
メンテナンス性。
中古住宅なら建物の状態。
こうした部分は、
購入後の生活に大きく影響します。
そのため、
住宅でも家電と同じように、
「なぜ安いのか」を確認する
ことが大切だと思っています。
価格を抑えることと、
必要な品質まで削ることは、
別だと考えています。
売却する可能性も考える
今のところ、
購入した住宅に長く住みたいと思っています。
しかし、
人生では何が起きるか分かりません。
転勤。
転職。
家族構成の変化。
親の介護。
さまざまな理由で、
住宅を手放す可能性もあります。
そのため、
住宅を選ぶときには、
将来売却することになった場合の資産性
も少し考えています。
例えば、
立地。
駅からの距離。
周辺環境。
土地の条件。
などです。
「必ず値上がりする家を買う」
という意味ではありません。
ただ、
家は非常に高額な買い物なので、
出口についても考えておく
ことは大切だと思っています。
住宅購入を見送る基準は一つではない
「こうなったら絶対に買わない」
という一つの数字は決めていません。
住宅価格。
金利。
返済額。
物件。
立地。
生活防衛資金。
将来の家計。
すべてを見たうえで判断します。
場合によっては、
「今は買わない」
という判断も普通にすると思います。
住宅購入は、
一度見送ったら二度と買えないものではありません。
だからこそ、
焦らず、
その時点の家庭にとって納得できるか
を基準にしたいと思っています。
家を買ったあとを想像してから住宅予算を決める
住宅予算を考えるとき、
一番大切だと思っていることがあります。
それは、
購入したあとの生活を想像すること
です。
住宅ローンを払ったあと、
いくら残るのか。
投資は続けられるのか。
子どもと旅行できるのか。
急な支出に対応できるのか。
趣味を楽しめるのか。
夫婦で自由に使えるお金はあるのか。
そこまで想像して、
それでも問題ないと思える住宅価格が、
わが家にとっての「返せる額」だと思っています。
まとめ|住宅予算は「家を買った後の生活」から逆算する
住宅ローンでは、
「いくら借りられるか」
が分かりやすい基準になります。
しかし、
わが家では、
借りられる額ではなく、買った後も余裕を持って暮らせる額
を大切にしています。
月々の返済額。
総支払額。
金利。
生活防衛資金。
投資。
子どもの経験。
住宅の資産性。
諸費用。
それらを総合して考えます。
そして、
理想の家が高すぎるのであれば、
予算を無理に上げるのではなく、
理想の方を現実的に変えていく。
それでも合わなければ、
買わない。
という選択肢も残しています。
住宅購入の目的は、
家そのものを手に入れることではありません。
家族が安心して、楽しく暮らすための場所を作ること。
だからこそ、
住宅ローンを返すだけの生活にならないことを、
一番大切にしたいと思っています。
※住宅ローンの適切な借入額、金利タイプ、頭金、繰上返済、税制上の扱いなどは、各家庭の収入・資産・年齢・借入条件・住宅の種類・制度変更等によって異なります。本記事は筆者家庭の考え方を紹介するもので、特定の借入方法や金融商品を推奨するものではありません。